飯舘村・希望の花、トルコギキョウ

2013-08-10(Sat)
聖アンナ教会のあるアンナガーデン北側の丘の下に、去年秋からパイプの建物が建てられ始めた。
1棟という半端なものでなく、作業建屋を入れると10棟あった。
その様子を私は上から見ていたが、それは明らかに、温室風の建物だった。
その土地は、お付き合いのある「ことぶき農園」の宍戸さん所有だったので、
機会あれば、お聞きしたいと思っていた。

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今年春、宍戸さんが教会に来られた時、その建物についてお聞きした。
宍戸さんの説明だと、飯舘村の花農家が温室でトルコギキョウを栽培するので、土地を貸したとのこと。
8月に、花が咲くので、見に来たらいいと、誘われた。
8月に入り、宍戸さんの桃を買いに出かけたら、今、花の盛りだと聞いた。
今日、時間が出来たので、花を見に、お邪魔した次第。

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「福島県飯舘村は、阿武隈山系北部の高原に開けた豊かな自然に恵まれた美しい村です。
総面積230.13キロ平方メートルの約75%を山林が占めた地形は比較的なだらかで、北に真野川、中央に新田川と飯樋川、南部に比曽川が流れその流域に耕地が開かれ集落を形成しています。
年平均気温は約10度、年間降水量1,300mm前後で高原地帯独特の冷涼な気候にあります」。
飯舘村のホームページには、そう書かれてあった。
飯舘村は、「までいな暮らし」を薦め、立ち読みOKの村の本屋さんを運営し、住みやすい村で全国一位にもなった。
その村が、2011年3月11日に起きた東日本大震災とそれに続く原発事故により放射能に汚染され、
村民は、村を離れ、避難せざるを得なくなった。
今年8月1日現在、県外(国外をも含む)に避難する人、492人(291戸数)、県内 6107人(2796戸)。
県内のうち、福島市には、3788人(1681戸)。
飯舘村内に、82名(78戸)、不明、2名(2戸)、合計 6683人(3167戸)である。

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この温室で、トルコギキョウを栽培しておられるのが、福島に避難されている、赤石澤さんご家族だ。
宍戸さんを通して、赤石澤さんをご紹介して頂いた。
赤石澤さんは、米、野菜を作る農家だが、20年ほど前から花を栽培し、出荷しておられた。
避難しておられたので、3年間の空白の後、やっと不慣れな福島で、再開できた。

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さらに、赤石澤さんにお尋ねした。
飯舘の農家の方は、別な土地での再開を順調に始めているのでしょうか。
-いやいや、始めている農家は、僅かです。
 私は、飯舘村が建てた施設をお借りしていますが、手続きが大変複雑で手が掛かり、難しいのです。
これらの花は、どこへ出荷しているのですか。
-主に、関東、東京です。
風評被害などは、ありませんか。
-幸い、今の流通過程では、ありません。
 そういうところに、お願いしてますから。

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赤石澤さんのトルコギキョウは、その苦労を知ってか、とても美しく咲いていた。
しばし、その花の美しさに、酔ってください。
なお、花の名前の、トルコギキョウだが、トルコキキョウとも言われている。
しかし、トルコという国とも、キキョウという花とも、関係はない。
アメリカのテキサス州が、原産地だが、
品種改良の中心になっているのは日本で、全体の品種のほとんどが日本産だそうだ。
そして、一番出荷量の多い県は、長野県とのこと。
ある程度の寒冷地が、お好みなのだそうだ。

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ネットで調べて、このブログを書いていたら、
昨日8月9日付けの、日本農業新聞 e農netに、赤石澤さんご夫妻の記事が載っていた。
この記事は、会員でないと読めないので、コピーして添付する。

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トルコギキョウ 新天地で営農再開 福島・飯舘村の赤石澤さん (2013/8/9)その1

東京電力福島第1原子力発電所事故で、福島県飯舘村から福島市へ避難している
花き農家の赤石澤忠則さん(52)、久代さん(52)夫妻は現在、
3年ぶりに盆向けのトルコギキョウの出荷作業に汗を流している。
出荷ピークの今週だけで3万本を採花し、調製する。
「目が回るような忙しさだけれど、やっぱりいいね」。
うれしい悲鳴を上げながら、赤石澤さん夫妻は、事故後に初めてとなる盆商戦を喜ぶ。
・3年ぶり出荷 希望の灯 照らしたい 
パチン、パチン――。午前4時すぎに採花したトルコギキョウを調製するため、忠則さんの力の入ったはさみの音が福島市内にある作業場に響く。
「飯舘から持ってきた作業道具は、このはさみぐらいかな。
たまに村に戻るが、ハウスはぼろぼろ。見ると切なくなる」
赤石澤さん夫妻が住んでいた飯樋地区は、昨年7月に「居住制限区域」に再編され、住むことができない状態だ。
引用:日本農業新聞 e農net

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トルコギキョウ 新天地で営農再開 福島・飯舘村の赤石澤さん (2013/8/9)その2

原発事故前、赤石澤さん夫妻は20年近く同地区でトルコギキョウを12棟のハウス、
計3300平方メートルで栽培していた。
しかし、事故で村外へ避難。
当初、栃木県の友人宅に身を置いたものの、「もう一度、トルコギキョウを作りたい」と昨年5月、
福島市内の借り上げアパートに避難先を移した。
飯舘村は標高が400~600メートルあり、夏でも冷涼で、
栽培するトルコギキョウは発色も良く、高い品質が自慢だった。
福島市は盆地だが、少しでも飯舘村に近い条件を求めて、
標高が200メートル程度ある荒井地区を選んだ。
2700平方メートルの土地を借りて、村が国の復興事業で建てたハウス9棟を借りる形で営農を再開。
今年1月に種をまき、7月から収穫を始めた。
湿度が高いなど栽培環境の違いで苦戦が続く。
新天地での初めての出来を「60点」と忠則さんは辛口に採点する。
引用:日本農業新聞 e農net

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トルコギキョウ 新天地で営農再開 福島・飯舘村の赤石澤さん (2013/8/9)その3

「花が柔らかい。今年は飯舘の時の作型だったが、来年はこの場所に合った型に変える」。
高品質にこだわる花農家の誇りは事故前のままだ。
現在、忠則さんは同地区を管内に持つJA新ふくしま花き専門部会に所属する。個人での出荷を考えていたが、「販売面をはじめ、新たな場所での不安を少しでも解消できるのでは」(JAの佐藤裕一営農部長)と熱心な誘いに心を動かされ、入会した。
JA名の入った箱で出荷し、東京・大田市場などで取引されている。
「ここまで来るのに、本当に多くの人に助けられた。希望の明かりを少しでも照らし続けていきたい」。
忠則さんは2年5カ月を振り返る。
事故前はJAそうまで花き部会長を務めていた。
同部会は現在活動を休止しているが、それぞれ別の場所で避難生活を送る部員約90人を気遣う姿は、部会長そのものだ。
引用:日本農業新聞 e農net

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赤石澤さんの名前が、珍しく感じたので、お聞きしたら、飯舘には、多い姓名とのこと。
聖アンナ教会で挙式した名簿を調べたら、2組の飯舘出身の赤石澤さんがおられた。
そのほか、名前は違うが、5組の飯舘出身挙式者がおられた。
当教会は、こんなにも、飯舘の方々に、大変お世話になっております。

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家内とは、今でも飯舘村のことを話している。
福島から車で50分、宿泊施設「きこり」の登り口にあった、農産物直売所のことだ。
かぼちゃ、ナス、キュウリと、野菜が新鮮で、しかも、量が多く安かった。
毎月、通ったこともあった。
ソバ打ちのおじさんが、自分の打ったソバの味を自慢していた。
みんな温かく、そして親切だった。
あの時代に、もう戻れないのだろうか。

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プロフィール

司祭 ヨハネ 橋本光明

Author:司祭 ヨハネ 橋本光明
 Rev.John M.Hashimoto
福島県福島市にある吾妻高原聖アンナ教会の牧師・司祭。
出身地は、福島県いわき市平。
1947年(昭和22年)3月生。
日本聖公会仙台基督教会(宮城県)、鶴岡聖公会(山形県)、米沢聖ヨハネ教会(山形県)、二本松聖マリヤ教会(福島県)、福島聖ステパノ教会(福島県)の牧師および管理牧師、福島聖愛幼稚園の園長として勤務。
挙式組数が、3000組を超え、朝、夕の祈りに、挙式者を覚え、ご家族のご健康と、幸せを祈る毎日です。
モットーは、キリストが、十字架の死を通して、自己犠牲と無償の愛を示された。その愛を、自らも実践し、キリストの愛を、一人でも多くの人に伝えたい。

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